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映画“ブリッジ・オブ・スパイ”を見る。 [映画]

去年は、余り映画を見ることができなかった、いや、見る気にならなかった。が、今年はまあ20本くらいは見れそうな、見たいような気がする。で今年の一本目を1月21日のTOHOシネマズ渋谷スクリーン1で観た。“ブリッジ・オブ・スパイ” トム・ハンクス(主演)ースティーブン・スピルバーグ(監督)ーコーエン兄弟(脚本)の組み合わせ。顔ぶれを見るからに見たくなるじゃないですか? でも、上映の終盤に近く、観客は50人いるかいないかくらい。トム・ハンクス演じるジェームズ・ドノバン。穏やかながら職業倫理や法律に忠実であろうとすることがなんだかすご~くアメリカらしい。その反対に国の利益のために守秘義務なんか捨てろと迫る人達もそれはそれでアメリカらしい有効性はあると思う。対するマーク・ライアンス演ずるルドルフ・アベルもまた穏やかながら自分の国の利益のために、祖国の命令に忠実であろうとする姿もすごいなと思った。僕はそのようなギリギリの選択を迫られる状況には絶対になりたくは無いが……。映画は前半はアベルの裁判を中心に進む。公式サイトは→ココです。  写真は映画.comとWikipedia、から転載しました。
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彼は原子力関連の情報を探っていたが、偶然にコインの中からマイクロフィルムが出てきた事が発端で存在が発覚、1957年に逮捕される。収監され裁判を受けるが、弁護士としてドノバンが弁護する。まあ、当然有罪なんですが、死刑や無期懲役が相当かと思っていた当時の大衆の希望とは離れて、判事は懲役30年を命ずるわけですが、このドノバンの判事に対する説得場面も興味深かった。もともと保険関連の弁護士であったせいかもしれませんが、リスクマネジメントとして彼を存命させるほうが、後々、役に立つと判断させるんですね、後に弁護のお礼に、ドノバン弁護士は、アベルから、彼の描いた絵を送られるわけですが、映画に使っている絵が実際にアベルの描いた絵と同じレベルなら、アベルの物事に対する観察力は僕の100倍くらいはあると思う。下の写真は本国からの指令と思われる文を読んでいるカットだが、カメラが引いていくと他の部屋の各種の無線機やその他の怪しげな機器が映る。見せ方が上手く(筋の運びも上手く)スムーズにお話に引き寄せられる。
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アベルが収監されてから3年後くらいに(1960年に)パワーズ大尉の操縦するU2がソ連国内で撃墜される。後半は彼とアベルの交換の交渉が中心にお話は進む。下の写真がU2。グライダーのソアラみたいに細長い羽根を持っている。高高度を飛ぶために軽量化が徹底されこの機体は着陸時には胴体部分しか脚は無いんですよ。まるでやじろべえみたいに着陸してくるんですよ。高高度の偵察に対する合目的とはいえ変わっているんだね。ウィキペディアには高高度を飛行中の最大速度と当該高度における失速速度の差はわずか時速18kmであり、もっとも操縦の難しい軍用機とされている。エンジンの吸気口を見ると日本の自衛隊でも一時期、主力戦闘機だったF104と少し似ていると思う。映画の中でもミサイルで撃ち落とされるのですが、直接に当たってはいなくて近くで爆発した爆風で、やわな機体が壊れたらしいね。運動性の悪い機体で、近づいてくるミサイルを発見した時のパイロットの気持ちはどんなものなのだろうか?
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パワーズ大尉の同僚を演じるジェシィ・プレモンズ、テレビのドラマ、ブレイキング・バッドでの演技で気になっていたら、もうこんなところに出演してた。若い時のマット・デーモンに顔の雰囲気が似ているんですよ。
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同じく、スパイ機のチームの上官を演ずるマイケル・ガストン、テレビドラマのメンタリストでレッド・ジョン一味のCBIの局長を演じていましたね。昔はハリウッドの芸能界はテレビに出る人と映画に出る人がはっきりと分かれていたと言うけれどそれはもう昔の事になりつつあるようだ。
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僕の小中学生時代のニューズ映画によく出てきた風景とそっくりな東ベルリンの屋外(多分)セット←実際に作ったんだと思うが。こうゆう寒々しい雰囲気が1960年の後半から70年の間続いたっけ。この壁が崩れることは無いように思われたが、それでも、1989年、壁は崩壊した。
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東西ベルリンを行き来する列車から眺めているドノバン。壁を越えようとして失敗し人間が監視員に射殺されるシーンが続くが、何回も実際に起ったことだ。僕は当時ニュース映画やテレビのルポ番組で観た。
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前作のユーモア感の少ない“リンカーン”に比べると随所にユーモアと思えるものが散りば得られているので、少し楽に見ることができます。脚本も上手く画も良いですよね。スムーズに見ることができる。重くなりがちなテーマにエンターテイメントの要素をしっかりと入れて、ますますスピルバーグは円熟したように思えた。ただ、トム・ハンクスの演技で(癖でしょうけど)他の映画でも同じ表情、仕草をするのが気になったのと、これだけスムーズでわかりやすい流れなのに、スパイとパイロットの交換に単なる学生の同時交換(2対1ですよ)にこだわったのはなぜか?が最後までわからなかった。 映画の中でアベルはソヴィエトに帰ってからの待遇は、迎えに来た人達が抱擁してくれたら評価はOK、隣りに座ったらNOだみたいなことをつぶやくんですが、彼は後に下の画像のように切手になりました。人事ながら、平穏な残りの人生であってくれますように……。映画の中で“不屈の男”という表現が何回も出てきますが、確かにドノバンとアベルは“不屈の男”でしょう。でも一番不屈なのは、20世紀を記録するという使命感にかられ、非難にもめげずにこのたぐいの映画を撮り続けるスティーブン・スピルバーグも不屈の男なんでしょうね。
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下にトレーラーを貼っておきます。